身内が認知症を患っている。

その男性は妻と子の3人で生活していて、ひとりで買い物に出かけた途中などで自分の現在地がわからなくなることがある。また、曖昧な記憶から数十年前に住んでいた家の場所を引っ張り出してきて、バスなどで大移動をすることもある。そうなると探す側の家族も手に負えず、困り果てている。
連絡用の携帯電話は持っているけど、電池が切れていたり、通話終了時に電源ボタンを長押しして電源ごと切っていることがよくあり、イマイチ当てにならないとのこと。

このような現状で、いざというときに男性の居場所を特定するにはどうすればいいか、と相談を受けた。機能だけで考えると、Googleの現在地共有 を使えば実現できそう。らくらくスマホも最近の機種はGoogle Playに対応しているらしいので、それにGoogleアカウントを登録しておけば位置情報は常に捕捉できるのではないかと考えたのだけれど、らくらくスマホの使い勝手が男性にはイマイチで、夫婦揃って最近ケータイに機種変更したらしい。

使う本人が気に入らないスマホをこちらの都合で押し付けたくはないので、別の手を打つことにした。

選定

ということで、なんらかの端末を用意する必要がある。使用者は他人、それも自分より年齢が高い人なので、以下の条件を目安として、扱いが楽なものを探すことにした。

  • できるだけ維持費が安い
  • 充電が楽にできる
    • 理想は置くだけ充電、次点でUSB Type-C
    • 少しの価格差ならmicroUSBは避けたい
  • バッテリーの持ちがよい

認知症 GPS 』などの単語を並べた検索結果を眺めていると、予想以上に高額なサービスが出てきて度肝を抜かれた。あと、ついでにdocomoの法人向けページが出てきた。

眺めているうちに、そういえばランドセルにつけるGPS端末の広告を数年前に電車で見かけたなと思い出した。転用できる気がしてきたので、『ランドセル GPS 』などの単語で調べ直した。

出てきた製品にpovo2.0のSIMカードを挿したら極力維持費を抑えて運用できそうと思ったけど、使用者が自分ではないのに冒険するのは避けたほうがいいと判断してやめた。

買ったもの

今回は みてね みまもりGPS という製品を購入した。Amazonで偶然セールがあったので本体は約4000円で購入して、通信費は月額500円くらい。
公式サイトはかなり簡素に見えるけど、ヘルプページ に必要な情報がまとまっていた。

この製品を選んだ理由は、上で挙げたように、バッテリーの持ちがよい (と公式が主張している) ことと、USB Type-Cで充電できること。それから、見守る側として登録するスマホの台数に上限がないのもよい。

みてね はmixiのサービス名で、親戚が家族アルバムのアプリを使っていたのが印象に残っている。家庭向けサービスが成功しているのであれば、提供されるアプリも相応に扱いやすいのではないかと考えた。

この製品にはボタンがなく、見守られる側から発信などはできない。これは人によって捉え方が異なると思うけど、今回の用途では押し間違えることを考慮しなくていいからメリットだと考えている。

Amazonで他の製品も眺めていたところ、どこかなGPS という製品は2年分の通信費が本体代に含まれて1万円程度と安価で、費用を最重視するのであればこれが候補になりそう。見守る側として登録できるデバイスが4台までで、充電がmicroUSBなのが気になったので、今回は見送った。

今回買った製品の気になった点として、一度解約したら再契約ができず、充電ができるだけの箱になるらしい。男性とその家族に試してもらって、もし用途が合わなければ引き取って自分の自転車につけようという心づもりをして購入した。

設定とか

製品を男性の家に送って、家族に初期設定を依頼した。ダメそうだったら連絡してもらって手助けしようと思っていたけど、問題なくセットアップは完了したらしい。

端末の準備が整ったところで、どうやって本人に携帯してもらうかという問題がある。 そもそもこの製品はランドセルに取り付けることが想定されているので、ストラップホールがある。これを財布とくっつけてもらうことで解決した。
持ち運びの煩わしさを避けるためには MAMORIO くらいのサイズ感が理想だけど、仮にその大きさでGPSを搭載できたとしても充電頻度が高くなるし、これに関しては妥協するほかない。

その後

役に立つ機会がなければいいなと思いながら買ったけど、購入から10日ほどで既に数回活用されている。

男性の行方がわからなくなったとき、その家族から連絡を受けた他の親族が、スマホに表示される位置情報を元に男性を見つけられたらしい。

見守る側として登録したスマホからは、位置情報だけでなく端末のバッテリー残量も確認できる。ある程度バッテリーが減った時点で充電してもらうように気をつければ、非常時に捕捉できなくなることも回避できそう。